「ごめん。俺、感情のままに奈友を……」 震える声。 後悔しているのかな。 心なしか、わたしを抱き締める腕も震えている。 「ううん……わたしこそごめん」 だって、仁ちゃんは何も悪くない。 悪いのは、仁ちゃんを怒らせたわたしでしょ? 「いや、俺が勝手に妬いただけで……奈友は悪くないから」 そう言って、優しくわたしの頭を撫でる仁ちゃん。 いつもの仁ちゃんだ。 優しいその手付きに、涙が溢れそうになる。 「奈友のこと狙ってる奴多いし、時々すっげえ不安になる」