今宵、月下の夜に

「製薬会社の社長の事件みましたか?実はわたし、あの事件の被害者遺族なんです」



「そうだったんですか…」


いたたまれない様子の愛ちゃん。


けれど私はその言葉に持っていた上木鉢を落としそうになる。


「昨夜社長亡くなったみたいですね」


愛ちゃんの言葉に社長のことを考えた。



「ええ。そうなんですよ。もう驚きました。もしかしたらどなたかが敵をうってくれたのかと思いまして」