今宵、月下の夜に

もう、何年も前の話。遠い記憶。

けれど俺はあの日からずっとあの子の面影を探してる。


会えるかどうかなんてわからない。いや…今どうしてるのかさえわからなかった。


だけど。もし会えたのなら。


もし、もう一度巡り会える時が来たのなら、その時すれ違うのだけは嫌だった。


だから決めた。この唯一の証拠だけは隠さずにいようと。

これは彼女に向けてのみ晒された瞳だった。