今宵、月下の夜に

「ありがとうございます」


ショーケースからケーキを出して箱に入れていると彼女の手が俺の手に触れた。


「あら、やだ。手が勝手に」


「もー奥様ってば大胆っ!」


後ろで待っていた連れの女性たちがすかさず反応する。


それをみながら心のなかで苦笑いをした。


「どうぞ。保冷剤入れておいたので早めにお召し上がり下さい」