今宵、月下の夜に

もともと自分の娘の生命保険でも使おうとしてたんだろう。組織側も知っていた。そしてその金が下りるのを待っていた。

だが社長は死んだ。娘を殺せなかった社長からはこれ以上金をもらえないと、組織は残された愛沢汐里を殺すことにした。荒いやり方だな。

社長の死は自殺として処理される。掘り起こせば悪事の山だ。追い詰められて自殺した。そう捕らえられる。というよりもそう捕らえるように仕向ける。それが今回のやり方。


犠牲になるのはいつだって子だ。

醜い大人に押し潰されて終わる。


深い闇の中で彼女の亡骸をみつめながら、儚く散った命に手を合わせた。

せめて、天国では幸せになるんだ