今宵、月下の夜に

今日は少し気取ったお嬢様を演じるつもりだ。


ヒールの音を響かせて扉まで近づいた。


私が歩き出したのを確認して車を走らせる杏那。

仕事が終わったらまた待ち合わせをしている。



「失礼。どなたの紹介でしょうか」

扉の前に来たとき、背の高いスーツ姿の男性に声をかけられた。


今夜のパーティーの係の者らしい。次々とやってくる人々に声をかけてまわっていた。