今宵、月下の夜に

だがそんな俺に首を横にふる彼女。


「そんなことはしません。あなたにも事情があるようだし…。けど」


一旦言葉をきって外をみる。

「咲希さんはもう感づいてますよ。そして辛そうでした」


「そうなの…?」


驚いた。あの咲希がまさか気づいてたなんて。

汐里に近づいたのは裏の仕事のため。けど端からみたら。