今宵、月下の夜に

いつも聞こえる足音はすべてがはじまる合図だった。


だからその日も寝たふりをして怯えて待った。



足音が目の前まできた。

思わず目をぎゅっと瞑った。


鉄格子の扉が開かれる。


誰かが私の肩に触れる。

びっくりして思わず体を震わす。