今宵、月下の夜に

ここは朝も昼も夜もわからない。でもすべて終わって鉄格子に戻されるときは、男たちは寝ていたから夜なのだろうと思ってた。


その日も冷たい手足を丸めて寒さを少しでも和らげるように目を閉じた。


その時


かすかに物音がした。


それは小さな足音。


足音は恐怖の意味。