今宵、月下の夜に

「前から言ってると思うが、表でも裏と同じくらいに注意力を養え。裏の人間が表に出る時が一番危ない」

真剣な顔のマスター。

昔から口がすっぱくなるほど聞かされていた。


「大丈夫です。俺が守りますから」


「愁」

俺のマスター、田崎聖也は真剣な顔をさらに真剣に言った。


「お前はわかってない。彼女はやめておくんだ。守ることはそんなに簡単じゃない」