今宵、月下の夜に

いつのまにか泣いてたみたいで、涙を拭ってくれる。


「約束。ここから出られたら、お互いの名前を話そう。それからここじゃない遠くで一緒に暮らすんだ」



明るく話す男の子。ブルーの瞳が揺れていた。

私に笑顔を向けて話してくれる彼は、今考えれば泣いていた。

私を不安にさせないように明るく話してくれたのかもしれない。