人斬りお彦


長州藩邸に帰った。
手をまた洗った。
井戸の水が冷たいのか手が震えていた。

前に一太刀入れられた傷にまた血が滴っていた。


(また…殺めてしまった)


私は手をあらいながら静かに泣いた。