「おーはーよ!」




トンッと私の肩に手を置くのは



親友の佐々木玲奈。




「玲奈、おはよ。」

「んんっ?どしたどした。いつものハイテンションの美桜じゃない!」




いつものハイテンションな私とは真逆の状況に驚く玲奈。




「いつもなら『玲奈ー!おはよー!昨日廉がさー』ってノロケ話を始めるレベルなのに」



廉。



その言葉を聞くためにわたしの心は廉を求めてしまうんだ。



「そうだね。あはは。」

「美桜。」



急に私の腕を掴む玲奈



「玲奈?」



私が不思議に思って訪ねると



「まさか、私に隠し事できると思ってる?」

「え…?」




玲奈はなんでも知ってるという顔でそう言った。




「廉と何かあったでしょ。」

「……………」



いざそう言われると言葉が出ない。


昨日のことは無かった事にしたい。


でも、できないんだ。


それが今、この状況が物語っている。



「…………なんもないよ。」



「美桜…」




結局言葉に出るのは逃げる言葉。



なんもなかった?



嘘。こんなの真っ赤な嘘。


信じたくないから。



まだ廉とは繋がってるって信じたいの。





「わかった。」



そう言って玲奈は早歩きで学校へと向かった。






ごめんね。玲奈。