……え??


どーゆーこと!?!?



「え、でも、でもさ、ホストみたいな格好したなっちゃんのことうち見たよ?」



全然、話が見えないんだけど……



「うん、それはしてた。

順をおって話すね。」



「う、うん」



「俺さ、さっき莉香にネックレス
プレゼントしたじゃん?」




「うん。あのかわいいやつだよね。」




「そう、それ。でね、莉香も知ってると
思うけど、あれそれなりに高かったんだ。

だから、どーしよーかと思ったんだけど、莉香が欲しがってたし、どうしても
プレゼントしたくて。

でも、お金はやっぱり足りなくてさ。
まだ中学生でバイトはできないし…

だから俺は最終手段で兄貴に相談した
んだ。」



「…なっちゃんのお兄ちゃんって、
たしか高3だったよね?」


このぐらいはうちも知ってる。



「おう。その兄貴が、ホストで今バイトしててさ。あいつ顔だけはいいからさ笑」



お兄ちゃんのことをそういう
なっちゃんだって、普通に顔いいってか
よすぎるぐらいなんだけど、ね笑



「そんで、俺が兄貴に相談したら、俺と同じとこでバイトすりゃいーじゃん、って言い出してさ。

ほんとはだめなの分かってるんだけど、
あそこのホストの店長に無理いって
お願いして、ティッシュ配りだけ、
させてもらってたんだ。」




………



なんか、すごい世界だなぁ。



「え、てかさ、なんで店長おっけー
してくれたの?

もしばれたら警察沙汰になるのに。」



「そこはさ、ほら。
うちの兄貴、売り上げNo.1だからさ、
断れなかったんじゃない?」



売り上げNo.1、ね…


なっちゃんのお兄ちゃん、いや、
おにい様、すごすぎだよ……



「そ、そっかぁ、、」



「あ、まだ、続きはあるんだけどさ、
あのホストってティッシュ配りとかしばらくやってなかったらしいんだ。まぁ客は入ってたらしいけど。

そんな時に、この俺がホストの格好して
ティッシュ配りしたんだよ。ほら、俺って兄貴と一緒でまぁまぁ顔いいじゃん?
だから、俺目当ての客とか増えちゃって。

その客を顔が似てる兄貴が相手する、
みたいな?笑

ついでに言うと、俺が連れてきた客の
売り上げの半分の金額はもらえてさ、
おかげで莉香のプレゼント買うためのお金以外にもかなりたまりました♪」



なっちゃんはすごくにこにこしてる。


その顔からみて、かなり稼いだん
だろーなって思う。



「……なっちゃん、すごいね、、、

うん。すごいよ。」




「だろだろー?笑


………ん?莉香、どした?」



うちは気づいたら目が涙でいっぱいに
なっていた。



「だって、、、


わかんない。」



「え!?わかんないのか!?」



ほんとにわかんない。



安心したからの涙なのか、
なっちゃんが遠いところに行っちゃいそうなのがなぜか怖い涙なのか。



自分でも全然わかんない。



とうとう、うちは堪えきれなくて
涙を流してしまった。



あーあ。



聖なる夜には泣きたくなかったんだけど
なぁ。




「莉香」



「…っな、なに」



「なんで莉香が泣いてるのかは俺にも
莉香にもわからないからさ、
それは1回置いといて、俺の話、もう少し聞いてくれる?」




「う、ん」



なんだろう。



さっきので、話は終わったはずだと
思ったのに。


もしかして、まだ続きがあるのかな。



いや、、、


もしかして、別れ話とか、、、?


もし、そうだったら、ほんとに聞きたくないんだけど…