「……やっとついたな、、、」
「うん…駅からだとやっぱりちょっと
遠いんだね……」
そんな感じで他愛もない会話を続ける
うちら。
でも、お互いなんとなく、
探ってる感じ。
たしかにうちもなっちゃんに聞きたいこと
あるけどさ。
なっちゃんがうちに聞きたいことって
なんだろう?
聞きたいことじゃなくても
なんかあるのかなぁ?
そんなことを考えながら会話を
続ける。
でも、そんな風に会話してても
やっぱり会話は終わってしまって。
「「………。」」
2人の間に気まずい沈黙が流れる。
どーしよう。
うちから話し出していいのかな?
でもなぁ。
うちの話は長くなっちゃいそうだし…
「あ、あのさ!!!」
なっちゃんがうちに話しかけた。
なっちゃんから、ってことみたいだ。
「なにー?」
だからうちは話を聞く。
「…こ、これ…プレゼント。
よかったら使って。」
なっちゃんはうちに細長い箱を渡した。
プレゼント…かぁ。
なんだろ?
「ありがと!!!…開けてもいい?」
「おう、もちろん。」
箱を開けると、そこには
ネックレスが入っていた。
かわいい、ハートのチャームがついてる。
しかも、キラキラつき。
「わぁ………すごい、、、
きれいだし、ほんとかわいい!!!
ほんとーーーーっにありがと!!」
うちは最高級の笑顔で言った。
だって、本当に嬉しかったから。
なっちゃんのおかげで最高のクリスマス
だよ。
「……え?
え!?嘘!?!?」
喜びに浸ってるのもつかの間、
うちはすごいことに気がついた。
「どした?」
「ね、ねぇ、なっちゃん、、、」
「んー?」
「こ、これ、さ、、、
あの有名ブランドの新商品だよね!?
今年のクリスマス用に新しく発売された
やつ!!」
そう。
なっちゃんがうちにくれたネックレスは
まぎれもなく、若者に人気のブランドの
新商品だったの。
しかも、これは宝石を使ってなくて、
宝石になりかけた原石?みたいな。
それを使ってるから、宝石よりは安いけど、
いつか、ほんとに宝石になるかも
しれないから結構高いんだ。
なんでうちがこんなこと知ってるかって?
……教室で、小春と2人でこのネックレスについて書いてあった雑誌を読んでたから。
っていうか、
うちがいつも買ってる雑誌に乗ってたから
なんだけどね。
とにかく、値段も高いのに、すごい人気で
手に入らないぐらいなの!!

