「ちょっとそれかして?」
なっちゃんにそう言われたからうちは
なっちゃんに持っていたミサンガを
渡した。
うちのを持って、どーするんだろう?
「じゃあ、莉香はここで少し待ってて。」
なっちゃんはそう言うと、
ミサンガを2つ持って、1人でどこかに
いってしまった。
…なにしに行ったんだろ?
そう思いながら待つこと1分。
「おまたせ。はい、これ。」
帰ってきたと思ったら、突然、
うちに小さな袋を渡した。
「え…?………あっ!これって…」
「そ。さっきのミサンガ。
買ってきちゃった。」
「でもそれはさすがに悪いよ〜
うちもお金払う!いくらだった?」
「ん〜しょうがないなぁ。
じゃあ…0円になります♪」
「え…?」
そんなこと、あるはずない。
「も〜!分かってよ。
俺から、莉香へのプレゼントってこと。」
あ、そういうこと。
でもなぁ。。。
ううん、ここは素直に喜んどいたほうが
いいよね。
「そっかぁ〜
ありがと!!!」
「いーえ♪喜んでくれてなによりです。
莉香サマ♪」
「莉香サマとか笑
あ、お店の外にでて、早速ミサンガ
つけよー?」
「おう、そーすっか!」
うちらはお店の外に出た。
でもこのお店は駅前にあって、お店の前は
人通りが多いから、ちょっと離れた
ベンチに行く。
「ね、なっちゃん?
ミサンガ、どこにつける?」
「んーそーだなぁ……
やっぱ手首か足首だよなぁ……
……莉香は首でもいーんじゃね?笑」
「っな!!!」
ぜーーーーったいばかにしてる。
てか、逆にふざけて言ってなかったら
それもそれで困るけど。
「嘘だって笑
じゃあ、足首にしとく?
ここならあんまりばれないし。」
そーいえば、忘れてたけど、
学校って校則があるからあんまり目立たないほうがいいんだよね。
「あ、うん。じゃあ、手首にしよ〜」
うちらはミサンガを手首につけた。
「……ほんとになっちゃんと
ペアなんだね〜!!」
「おう」
「このミサンガ見るたびになっちゃんの
こと思い出しそう♪」
「……そりゃ、よかったわ。
…まぁ、俺はいつでも頭の中莉香でいっぱいだけどな。」
「…え?ごめん、後から言った言葉
聞き取れなかったんだけど…
なんて言ったの?」
…………。
ごめん、なっちゃん。
実はちょっとだけ聞こえてました。
俺の頭の中は莉香でいっぱいだ、って。
でも、ほんとだったら照れちゃうし。
や、ほんとなんだろーけどさ。
だから、ちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、嘘つきました。
これだけは、このぐらいは許してくれる
よね?笑

