『パパ!!!』 真由ちゃんはわたしの腕をすり抜け、真由ちゃんのパパに抱き着いた。 『ただいま。真由。』 真由ちゃんのパパは、優しい眼を真由ちゃんに向け、愛おしむように自分の娘を抱きしめる。 その暖かい光景に、わたしはホッとした。 一一一恨みを晴らす、なんて、そんなことあるはずない。 『復讐はうまくいったのかしら?』 真由ちゃんのパパは、からかうようにそう言う中西さんを一瞥し、優しく真由ちゃんに言った。 『真由。行こうね。』 そしてわたしに、出口は屋上にあります、と言った。 ・