『あと、一歩。』
中西さんがニタリと笑った。
もう一歩…?
足を出そうとしたその時、中西さんが楽しそうに呟いた。
『…オマエモ、シネ』
同時に、真由ちゃんがわたしにしがみつく。
わたしはハッと我に返った。
真由ちゃんの腕から、茶色いくまのぬいぐるみが落ちた。
ぬいぐるみはわたしの足元に一度落ち、エレベーターの中へ転がった。
ぬいぐるみの行き先を目で追う。
エレベーターの床であるはずのそこは、空洞になっていた。
・
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…