『美香ちゃん。あそこ、見て。』 中西さんが指差した先、その柱のところに、小学校高学年くらいの男の子が座ってるのがぼんやりと見えた。 一ゴクリ、と息を飲む。 『あの子は、六年前に交通事故で無くなったのよ。』 『だ、だって…さっき、崩れるって…。』 もう両腕も両足もないおじいさんの不気味に動き続ける体を目の端で受け止めながら、わたしは理解出来ずに中西さんを見た。 『自殺した人は、ここから出られない。』 一ただ、崩れていくだけ。 おじいさんを見つめ、中西さんはそう言った。