(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜

途端、涙が溢れてきた。


もう周りなんて気にせず、全速力で走っていく。


そして、海斗の胸に飛び込んだ。


「おうっ…。」


振動に耐えて、海斗は私の背中に手を回した海斗。


「海斗〜〜っ‼︎あんまり、無理すんじゃないわよーっ…」


涙声で顔を海との胸に押し付けながら訴える。


「ごめんごめん。でも、勝ったろ?」


申し訳ないなんて微塵も思ってないような声に思わず、顔を上げる。


だけど…



その何よりも大好きな笑顔を見たら、もうどうでもよくなってきて。


涙を流しながら笑った。


「海斗…大好き」


「…俺も」


そう言って笑い合い、また海斗の腕の中に閉じこもった。


ほんのりと香る汗の匂い。


紅くなってゆく空。


蓮が持つ優勝旗。


みんなが笑ってる。





私は今日という日を忘れない。


きっとここにいるみんなが忘れない。