(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜

「なんか、実感湧かないなあ…
明日は高校総体の決勝戦なんてさー。」

風にもみ消された私の声は海斗に伝わらず、

「ああー?何てー?」


大声で聞き返される。


「何でもなーいっ‼︎」


わざわざもう一度言うのも面倒で私も大声で返す。





自転車で帰り道を辿る。


海斗の腰に手を回した私は夕日を眺める。


「ってあれ?」


海斗がいきなり急ブレーキを踏んだのは私の家の前ではなくよく2人で行っていた公園の中。


地面に降りて自転車を止める海斗につられて私も降りる。