(完)ずっと君といれるなら 〜再会〜

「え、何でここに…?」

まずい。

声が掠れる。


下がっていく私の気分をもっと下げるような笑顔を浮かべた舞友。


あの頃の純粋な笑顔じゃない。


私の憧れだった、大好きな笑顔じゃない。


汚れを、嫉妬という心を知ってしまったんだ。


舞友は。



藤原舞友は私と海斗の中学時代の同級生。


レベルが高いと言われていたうちの学年の女子で美玲とツートップと言われるほどの美人。


そして、海斗の元カノ。
転校していくときに別れた。



まるで、私の嫌がっているのををわかっているようにニヤニヤと舞友は笑う。


妬みや嫉妬のような汚い思いが入り混じった感情が胸の中を独占する。


ああ。


今、私凄く嫌な人間になってる。


「久しぶりの休みでさあー、友達と一緒にこっちに遊びに来たの。」


「由香でーす。」

「麗奈でーす。」


舞友の言葉に続けて後ろにいた友達という2人が自己紹介をしてくる。


「あ。葉月です…。」


そう言って軽く頭を下げる。


チラッと海斗を見ると放心しているかのように目の重点があっていない。


小さくひじで小突くとハッとしたように顔を上げて、呟くように自己紹介をした。


「あー、ホント久しぶりだよねえ〜っ‼︎ねえ、明日までこっちにいるから遊ばない?」


それって、海斗だけへの言葉?


きっとそうだろう。


声に出さなくても目で伝えてくる。

あんたには言ってないからねって。


何がこんなに舞友を変えたの?


あの頃の舞友と別人のようだ。