龍蝶~闇に隠された愛~【上・完】

「匡…どういうことだ…?」

「俺が…一翔に紙を渡そうと思って、
瑠李さんに聞こうとしたらたまたまぶつかって…」

「本当か瑠李?」

一翔は確認を取る。

「違う…違うよ一翔!!!紙なんて渡されてないし聞かれてないっ…!
私無理やりっ…一翔しか…一翔にしか触れられたくないのにぃ…!!」

瑠李はそういい一翔に泣きつく。

「見た奴いるか?」

一翔がそう聞いても誰も答えない。

「匡…お前には見損なった…。もういいぞ。」

一翔はそういって瑠李を部屋に連れて行った。

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「本当は違ったんだ。」

香清はそういう。

「でもその瑠李さんは違うって言ったんでしょ?」

梨華は聞く。

「だけど…匡が合ってたんだ。」

「その誤解は…」

梨華がそう聞くと全員が浅緋を見た。

「浅緋が解いた。」

全はそういう。

「浅緋くんが?どうやって…?」

「とりあえず頑張った。」

浅緋はそう答える。

「居たんだ。一人…見た奴が。
だけどそいつ前姫のことが好きだったらしくて…言えなかったんだと。」

浅緋はそういい人だかりに入って一人の男を連れてきた。

「公鳥羽 無季。見てた奴。」

無季はそのまま一翔の前に出された。

「こいつ本当は見てて言う勇気がなかったとか言ってた。
言ったら瑠李がいなくなるって…。それで俺が怒った。」

「瑠李なんてどこか探せば同じような女がいるってでも匡はいない。
俺たちが築いた信頼関係は匡にしか保てないって…したら泣いた。」

「ちょっ浅緋さん!?それ言わない約束じゃ…」

無季はそう言う。

「仕方ないじゃん?姫が聴いてるんだから。」