(いつものように学校に向かう通学路。

でも今日はすごく楽しい。

隣にお父さんがいるから)

梨華はずっと笑顔のまま道を歩いてく。

「じゃあ、俺はこっちだから。頑張れよ。」

浩輔はそういい駅に向い歩いて行った。

「お仕事頑張ってね!」

梨華は歩く浩輔に向かってそう言った。

返事がなくとも一緒に歩いてくれたことが何よりも嬉しかった梨華。

「おはよう!」

一人笑っていると後ろから一人の女の子が声をかけてきた。

「朋香!!おはよう!」

岸谷 朋香(きしたに ともか)。梨華と同じクラスの親友。

「なに一人で笑ってるのよ。遠くから見て気色悪かったわよ?」

朋香は梨華に向かっていう。

「あ、やっぱり気色悪かった?」

「うん。」

「あのね。お父さんが一緒にここに来てくれたんだ。」

「普通じゃないの?」

「だって、梨華のお父さん優しそうじゃん。普通だと思うなぁ~」

朋香は歩きながらいう。

(やっぱり…そう思うんだ…本当は違うんだけどね…)

「まぁいつも忙しいから…」

梨華はそういい信号を渡る。

「あぁ~梨華のお父さんって仕事できるって感じだもんね。

うちの父親なんて「いやだー」なんていって仕事行かないんだから。」

朋香はそう言った。

「朋香のお父さん小説家だったよね?」

「うん。そうだよ。」

「でも、小説家のお父さんなんて私は羨ましいな。」

「売れないけどね。」

(お父さん可哀想…)

梨華は朋香にズバッと言われたお父さんに同情を抱いた。