梨華・一翔side

私が逃げなければ一翔に害はない…。

梨華の前を歩く男達の後ろを距離を取りながら歩く梨華。

「ここだよぉ~ん♪どうぞ~☆」

男はそういい梨華を押した。

「梨華」

そこにいたのは梨華の父親、浩輔だった。

「っ!!」

これまでにない恐怖が梨華を襲った。

「梨華。久しぶりだね。心配したよ。なかなか家に帰ってこないから…。
沙絵子さんだって梨華がいなくて梨湖を外に出そうって頑張ってたんだよ?」

浩輔はそう笑う。

「梨湖になにしたの!?」

梨華は声を上げる。

「まぁそう怒るなって。梨湖はお前と違って言うことを聞かないね。
部屋から出ないんだよ。だからここにいる
蛇蛇の奴らに協力してもらったんだよ?」

「蛇蛇…?」

梨華は震えながら言う。

「そ、俺は蛇蛇の卒業生でね~」

浩輔はいままで座っていた椅子から降りて梨華に近寄る。

「や…いやっ…来ないで!!」

梨華は後ずさる。

「どうしてそんなにおびえているんだ?」