「じゃぁ知ればいい。俺は義棟高校2年。龍蝶っていう暴走族の頭やってる。」

(暴走族…?)

梨華はそれを聞いてネギを切る手を止めた。

「え…えぇ!?わ、私暴走族を家に上げてる!?どうしよう…
いや、落ち着いて梨華。大丈夫何もされないわ。私には包丁が…」

「いや、怖ぇから…」

一翔は一人慌てる梨華にツッコミを入れる。

「だ、だだだだだって…」

「暴走族って聞いたら誰だって怖いイメージがあるけど、
俺らのチームはそんなことしねぇよ。」

一翔は少し悲しそうにいう。

(この人…私と同じかな…)

梨華はふと思う。

「まぁ、普通は怖いわな!お邪魔しました。ごめんな。」

一翔はそういいリビングを出ようとした。

「待って!!できた。ご飯。」

梨華は一翔を呼び止めた。

「は?さっきネギ切ってたじゃねぇかよ…それに怖いだろ?」

「確かに…暴走族は怖いけど…悪い人じゃない…と思うから…」

梨華はそういいご飯と豆腐を机に運ぶ。

「梨華…。」

「私だって…私だって人を疑いながら生きたくないし…」

梨華は恥ずかしそうに下を向いていう。

「ありがとう…。いただきます。」

一翔はそういい豆腐に手をつけた。