「そうかな?…で?何?」

「まぁいいや…。
一翔のそばでずっと笑ってやってな。それだけだよぉ~ん♪」

香清はそう言って去った。

(みんなほんとに一翔が好きなんだなぁ…
一翔…あなたは幸せ者だね…)

「姫。」

そこに来たのは全。

「ぜ、全さん…!?」

「梨湖…少し向こう行っててくれ。」

全はそう言って梨湖の手を優しく離した。

「わかった。お姉ちゃん取らないでね?」

梨湖は冗談混じりに行って去った。

「あの…全さん。梨湖を…幸せにしてあげてください。」

「当たり前だ。」

「梨湖を…外に出してくれてありがとうございました。
本当に…ありがとうございました。」

「おう。でもまた頭下げようとしてねぇか?」

梨華は驚いた。

(分かってのかな…そうなんだよね…)

「匡も言ってたが、黒蝶がそんなバカバカ頭下げてたら他チームから
舐められちまうぞ?」

全はそう言い笑う。

「そ、そうだよね…。ごめん。」

「ほんと総長と同じで頼りねぇ姫だな。」

「た、頼りないぃ!?一翔よりは…」

「まぁ…そうだな。」

「全さんもみんなと同じですか?」

梨華はそういった。