「ふぅ…」

(すこしケーキ食べ過ぎたかな…でも今日はお父さん機嫌がいいから…
食べなくても怒らないよね…?)

梨華はそう思いながら帰り道を歩く。


梨華はある公園を通りすがった。

その時―――――。

公園の真ん中に倒れている男を見つけた。

「え…?」

梨華は驚き駆け足でその男に駆け寄った。

「あの…大丈夫ですか…?」

梨華がそう声をかけても返事はなかった。

「大変っ…!すごい怪我っ…!!どうしよう…」

梨華がおろおろしている男は起き上がり言った。

「腹…減った。」

「へ…?」

「いや…怪我を…」

「あ?あぁ…こんぐらい平気。それよりなんか食わせて…?」

「…うちでよければ…」

梨華は少し考えてから言った。

「マジで!?ありがとう!!」

男はそういい梨華に飛びついた。

「きゃっ…!!」

「あ…わりぃ…」

「いや…えっと。こっちなんで…歩けますか…?」

梨華は男を心配して聞く。

「あぁ。大丈夫。歩ける。」

男は立ち上がり言う。

しばらく二人は会話をせずただ道を歩いていく。

すこしすると、梨華が立ち止まった。

「ここ…です…」

梨華はそういい玄関を開けた。

「へぇ~…お前って結構お嬢様なんだな。」

男はそう言う。

「えぇ?そんなことないですよ?普通の女子高生です。」

梨華は笑いながら言う。

「あ、俺の名前は蓮城 一翔(れんじょう かずと)。かずは漢数字の一、とは翔けるとかく。
まぁよろしく。で、お前は?」

蓮城 一翔と名乗った男はそう言った。