小さな一歩から


「おい、お前ら何騒いでるんだ。静かにしろ」


「は、はい!!!スミマセン!」



完全にくっつくまであと少し…ってところで先生が来てしまった。

つーか、いつ先生来てたんだ?



「怒られちゃいましたね…まあ…この距離なら教科書見れるから良いですよね」


「え…ああ、そう…だな」



俺、あからさまに残念そうにしてるよな…



「…あー…上手く見えないので、やっぱり、ちゃんとつけていいですか…?」


「お、おう」



そう言って二つの机は完全にくっついてしまった。


いや、でも、教科書見えねぇことはねぇよなぁ…俺、見えたし。


「ふふっ」と横から可愛らしい笑い声が聞こえてきた。



「どうした?」


「い、いえ…ずっと前から中村くんと話したい…って思ってて…」



え。嘘だろ?

櫻井と俺が同じことを思ってた?