拓海くんは私の答えを聞く前に顔を近づけてきた。

 抵抗をすることも出来なくてあと5cmぐらいの距離になった時怖くなって目をぎゅっとつぶった。

 その瞬間

 『ぼこっ』

 と鈍い音がして、その音と同時に肩から手が外れドサっと人が倒れような音がした。

 怖くて目をゆっくり開くとほっぺを抑えて倒れている拓海くんの姿が見えた。

 そして私の前には怒りを堪えながら拳を震わせている優太がいた。

 「ゆ…ゆうた…?」

 なんで優太がいるの…?