ずっと変わらない…。

　その女の子は優しい笑顔で俺に

　「この傘使って。」

　と傘を握らせた。

　「そしたらきみが濡れちゃうよ？」

　俺だってさすがに女の子を雨の中傘をささずに帰らせるような男じゃない。

　「クシュン………」

　「風引いたんじゃないかな？お父さんとお母さんに貰った大切な命なんだから大事にしなきゃダメだよ。」

　「きっとお母さん達心配してるよ？」
　
　その子は無邪気に笑いながらそう言った。

　俺のすべてを分かってくれてるのかと錯覚するぐらいその子の言葉はスーと俺の心に入ってきた。