部屋に戻って一息ついていると…
ブーブー珍しく私のケータイが鳴る。
『雅久しぶりだな。やっと見つけた、まさかそんなにレベルを下げて高校に行ってると思わなかったから驚いたよ。また連絡する。浩人』
えっ浩人?何でアドレス変えたのに…それにこんなにレベルを下げて高校選んだのに…バレてしまったの?また連絡するか…。やっぱり私は一人でいないと周りに迷惑かけてしまう…せっかく、優しくしてくれたのにごめんね舜、椿。

コンコン
「雅入るよ?」
舜が入ってきた。
「舜、何?」
「いや、お腹空かない?夕飯にしよ!」
「そっそうね…!」
「雅元気ないけどなんかあったの?」
「何でもない。すぐ夕飯にするわ」
下に降りて夕飯を作る。今日はオムライスにした。
「雅もう作ったの?凄い!」
10分もしないでオムライスを手際よく作って盛り付けする。
「まぁ、家事に慣れてるからね」
「えっ、お母さん家事してくれなかったの?まぁ、俺も家事してるけど…」
「そうね、ここ数年ほとんど両親には会ってなかったし…舜も私が居なかったらほとんど夜一人なんじゃない?私、まだ数日しかここに居ないけど初日しかおじさんに会ってないよ?」
「それで俺の家に来ることになったの?」
「いや、それは両親が事故で亡くなったからだけど…」
「えっ…!?」
「暗い顔しないでよ。一人は慣れてるから平気よ。」
「そんなの嘘だよ。俺さ…10歳の時お母さんが病気で死んでしまったんだ…お父さんも漁師であんまり家にいないから、家に一人で寂しかった。それでもう大切な人を失いたくないと思って医者になろうと思ったんだ…!」
やっぱり舜のお母さん亡くなってたんだ。
医者か…
「今の学力では厳しいわ。もっと勉強したほうが良いわ」
「う、うん勉強するよ!雅俺の前では強がらなくていいんだよ?一人になんて慣れるわけないよ…!」
「そうかしら?私は舜より小さいときから一人なの。慣れるわよ。じゃあ、私部屋行くから、片付け後でするから置いといて」
「みやび…」
私は部屋に戻って中学1年生の時のことを考えていた。
浩人に初めて出会ったのは中学1年生の時
、私が塾に通い始めたときだった。浩人はその塾で一番頭のいい天才と言われる存在だった。私が入ってから二人で1位を競いあった。暗記が得意な私と計算の得意な浩人。私が初めて尊敬して好きになった人。浩人は私を探して何をするきなのだろうか…!

~次の日~
また、一人で学校に行こうとしたら、舜と椿がついてくる。
そして『最近一緒にいる二人は誰だ?俺の許可なしに友達作ったらどうなるかわかってるよな?』浩人からメール。
お願いだから、ついてこないで舜、椿…!

学校帰りは隙をついて一人で走って帰った。

「よぉ、雅」
「えっ…ひ浩人…」
金髪…黒髪似合ってたのにな。
「雅ちゃん久しぶり~♪相変わらず可愛いね!」
「!?つっ司さんまで!」
司さんは同じ塾の浩人の友達だった人。天才ではないけど私達二人の次に点数が良かった。
「雅ずいぶんレベル下げて高校を選んだな。そんなに俺に会いたくなかったのか?塾は辞めるし、中学もいきなり変えるし探すの大変だったんだぞ。」
「だったら、探さないでよ…私が浩人から逃げたのがわからないの?」
「お前は俺のものだ!俺の前から姿を消すことも、俺の許可なしに友達を作ることも許さない。」
なにそれ…勝手なこと言って…。

「雅?!」
「雅ちゃん?!」
舜と椿と夏斗だった。
「あれ…浩人さん?…」

「夏斗じゃねぇか…!無事に入学出来たんだな。」
「はい…!勉強教えてくれてありがとうございました…!でも何で…頭のいい浩人さんがその制服を…」
「確かに俺と雅は天才だが…俺はこの通り不良だからな、レベルの高い高校には行けない。今はこの高校の不良の中のボスだ。」

「?!ちょっとまって、何で浩人と夏斗が知り合いなの?」
「あー本屋で参考書を見て固まってた夏斗に勉強教えてあげたんだ。まさか雅の知り合いになるとはな。だが…お前ら、今すぐ雅との関係を切らないと俺が黙ってないからな。」
「それは嫌です。」
「そうだよ、せっかく友達になれたんだから!」
舜と椿が浩人に反抗する。
「お前随分雅と仲が良いみたいだな。まさか、雅のこと好きなわけじゃないよな?」
「浩人、舜はそんなんじゃないから。お願いだから何もしないで…!」
「雅、いい加減自分がモテること自覚したほうが良いぞ。この男はお前に火照れるぞ、間違いなくな。」
「わかってるよ、自分がモテるのは。浩人が私に告白して来た人をボコボコにしたことも。でも、舜はそんなんじゃない。そんなんじないよ…。」
浩人は舜を睨み付けた。
「とにかく、次雅と一緒にいたらただじゃおかないからな!」

「雅、大丈夫か?」
「大丈夫よ。わかったでしょ?私の周りにいると二人に辛い思いをさせるの…!だから、一人にさせて…!?」
「雅、私は大丈夫だよ!雅と一緒にいたいもん!」
「浩人は女にも容赦ないの。可愛い椿にけがでもされたら困るの…!ありがとう。」
私は静かに二人の前から姿を消した。