螺旋愛

何のために瑠来を連れて来たんだ・・・！！

そう自分を奮い起こしてもどうしても決心はつかなかった。

ずっとこんなことをしていたら苦しくなるばかりだと思い、俺はシャワーを浴びることにした。

シャワーを浴び終わり、タオルを巻いてまた部屋に戻ると瑠来はもう起きていた。
ドアを開けた瞬間瑠来は驚いていたようだが、すぐに笑顔になった。


俺は瑠来からの視線に気付いた。
瑠来の視線が俺の上半身に絡みつく。

瑠来に見られているというだけでこんなにも体が熱くなる。
俺って変なのだろうか。


「何見てんの？」
俺はからかうような口調で言った。
普通気があるなら、見てないと言うはずだ。

「キレーな体してるなーと思って。」
瑠来はいつもと変わらず笑顔で答えた。



やっぱり俺は男として見られていないらしい・・・。
手に入れたいものがこんなに近くにあるのになぜ手を伸ばせないんだ・・・。



苦しさと切なさが心臓を駆け巡った。