また、恋に落ちればいい。

病院の外に出てベンチに座った。

さっき止まった涙が、また目からこぼれた。

「双葉ちゃん、」

「おばさん、」

「ハクのこと、待ってなくていいからね........。」

「え..」

おばさん。何言ってるの?

「あの子、もう、目を覚まさないかもって言われたのは知ってるでしょ?」

静かに頷いた。

「双葉ちゃんは、まだ21歳なの・・・。今からでも、新しい恋人をつくって結婚だってして子供だって.....」

ハクの事はほっとけって言いたいの?

「もしも、私が、恋人をつくって結婚して子供を産んで、そのあとにハクが目を覚ましたら?私は、ハクになんて言えばいいんですか!?」

私は、強く言い放った。

「おばさん・・・・。お願いだから、そんな事言わないで...。」

弱々しい声でおばさんにいった。

「あの子ね、目覚めても何か障害が残るってお医者さんに言われたの。双葉ちゃんだけには、迷惑かけたくないの。双葉ちゃんの人生はこれからでしょ?21歳なの。子供もつくれないかもしれない。あの子が、目を覚まして双葉ちゃんが隣にいなくても、きっと何も言わないわ。
双葉ちゃんには、ハクの分まで生きて幸せになってほしいの。」

おばさんは、私の手を握り目を見て力強い口調で言った。

おばさんは、私の手の中に小さな物をいれた。

そっと、手の中を開けると、指輪が手のひらで光っていた。

「おばさ.....。これ、」

「ハクのポケットの中にあったそうよ。あの子ね、救急車の中では意識があって、隊員の人に渡したんだって。愛してるってずっと言ってたって。」

涙が溢れてなにも言えない。
嬉しすぎて声がでない。

「お・・・ばさん」

おばさんは、そっと私を抱き寄せてくれた。

そして、一言

「ハクのこと、これからたくさん迷惑かけると思うけど、よろしくお願いします。」

大きく首を縦に振り、おばさんんの胸のかで涙をながした。