「どうしたんですか?ため息なんてついて」
誰もいないはずなのに。
声のする方へ目を向けると、背の高いすらっとした男の人がいた。
「せっかくのパーティなんですから、楽しみましょうよ?」
近づいてきたから、分かった。
まるで、王子様みたいな人だ。
少し、癖のある はちみつ色の髪。
色素の薄い瞳。
彫りが深いのに、濃い顔じゃなくて外国人のような透明感がある。
くっきりとした二重の目に、長いまつ毛が縁取られている。
「あなたは?」
私が、訪ねると
「寂しそうなお姫様の話し相手になろうと思いましてね」
いたずらに笑った。
「大丈夫です。私は、もう帰るので」
また、変な人に引っかかった。
早く帰らなきゃ。

