私のシンデレラストーリー❊✧.。.:*

 




パーティが始まったら、愛想よく振る舞って、頃合いを見計らって帰ればいい。






『明日も仕事があるから』とか口実を作ってさっさと帰らないと。
 




頭の中は“早く帰りたい”という言葉で溢れている。






ロビーのソファーに座っていると、





「鈴木さまのお嬢様じゃありませんか!」






若くて、見るからに高そうな腕時計をつけている男性に声を掛けられた。






にこにこ好意的な笑顔を浮かべている。






『またか……』と私は心の中でため息をつく。






パーティなんかに出ると、若い男性に声を掛けられる。






いわゆる、ナンパ。






私の家は田舎に広大な土地を所有し、財産だって半端な額じゃない。





そういう家の娘を口説いて、うまく交際に発展させ、あわよくば結婚なんて考えているのだ。





世間知らずのお金持ちのお嬢様なら、簡単に落とせるとでも思っているんだろう。





要は財産目当て。





いちいち面倒だ。





「すみません、お手洗いへ行きたいので。お話はまたの機会に。」





うまくその場から逃げた。






本当の私を好きになってくれる人なんて、いないもの。






みんな私の家のお金目的なんだから。