人当たりが良くて、誰にでもニコニコ優しいハルキくんと、女の子みたいにキレイな顔をしているのに、人付き合いが苦手で口の悪い(ついでに喧嘩っ早い)ヒサギくん。

 全く正反対な二人だから仲良くやっていけるのかな。

 勿論、こんなことは本人達には言えないけどね。

 誉め言葉とはいえ、ヒサギくんに怒られちゃうだろうからね。


「ヒサギくん、随分疲れているみたいだね」


 寝ているヒサギくんを起こさないように、僕は声を潜める。

 それに倣うようにハルキくんも小声で答えた。


「仕事帰りにマンションのロビーでシズと会って、そのまま押し掛けてきたんだそうです……」


 やや肩を落として、ハルキくんはアイスティーを啜る。

 そういえば、シズルくんとヒサギくんは同じマンションに住んでいるんだっけ。


「昨日、シズルくん遅くまでここに居たけど、誰も来なかったからね」


 閉店後、内輪の居酒屋状態になるmilky wayだけど、偶には誰も来ない日だってある。

 きっと「面白くない」とか思っていて、偶々会ったヒサギくんを捕まえた、ってところだろう。