君の名を呼んで 2

「お前を大事にしてるのは、会社の商品だからだ。お前じゃ性欲処理にもならねぇよ」


吐き捨てられた言葉に、涙が零れ落ちた。

「酷い……」

「俺は元々こういう人間なんだ。幻想やら妄想やらは結構だが、それに付き合う程こっちは暇じゃねぇんだよ」


私が知らなかった、城ノ内さんの本当の姿がこれなの?
ポロポロと零れた涙にも、彼は冷静に見下ろすだけ。


「それでも俺が優しく見えたなら、それは雪姫のおかげかもな。あいつのお人好しが伝染したんだろ」

出された名前に反応して、私は問う。

「どうして梶原さんなの!?私が、子供だからーー?」


城ノ内さんはフッと笑った。

「ガキだからとかじゃない。雪姫じゃないからだ。俺は雪姫しか欲しいと思えない」


梶原さんを想って見せる彼の笑顔が、何より私を突き落とした。
城ノ内さんは、私にゆっくりと言う。


「ナナミ、お前に付き合うのもこれっきりだ。俺は会社の利益にならないモノを飼っておくつもりは無い。
よく考えろよ。本当に欲しいモノは何なのか」

その瞳で、言葉が本気だと悟る。


「わたし、は……」


彼を選んだら、その瞬間私は捨てられる。
城ノ内さんの目には映らなくなる。

何をしたかったのか、なんてーー。


アイドルになりたかった。
本当の、私の夢。
家族に必要とされない私が、たくさんの人に必要とされる世界。

やっとこの手に掴めるところまで来たのに、夢だった筈の、新しい居場所を失うーー。



「いや、だぁ……」



私は、何を間違えたの?