side 皇
隣で眠る雪姫を眺めながら、溜息をつく。
「人の気も知らずに、無邪気な顔しやがって」
つい鼻でも摘まんでやろうかと思いかけて。
けれど雪姫があまりに気持ち良さそうにしているからか、その顔を見ながらいつの間にかニヤけている自分に気づく。
……俺も随分丸くなったよな。
マナーモードのままさっきから鳴り続けている携帯を持って、寝室を出た。
「……はい、城ノ内」
ディスプレイを見て、相手が真野だと確認して電話に出る。
『いつまで油売ってるんだ。早く戻ってこい。どうせまた梶原ちゃんにお仕置きとかしてるんだろ』
お見通しか。
「うるせぇよ。すぐ戻る」
確かに山積みの仕事を放って、真野に任せて帰って来てしまったのは事実。
今頃大変なことになってるだろう。
ソファに置きっぱなしの上着を取り上げた。
車の鍵を出して腕時計をはめながら、肩に挟んだ携帯から真野の穏やかな声が聞こえてくる。
『にしても、城ノ内らしくないね。カスミ達を他に任せるなんて』
「あいつらじゃなかったからな」
俺が遮るように言った言葉に、真野は鋭く反応した。
『……どういうことだ』
「あの男、最初から雪姫を見てた。狙いはカスミ達じゃない。……雪姫だ」
近寄って来た時も、警備員に連行されるときまで、見ていたのはーー。
幸いなのか、雪姫は気づかなかったみたいだが。
呆れるくらい、お人好しな鈍感女。
……でも、不用意に怯えさせたくなかった。
だから、気のせいだと誤魔化したけれど。
隣で眠る雪姫を眺めながら、溜息をつく。
「人の気も知らずに、無邪気な顔しやがって」
つい鼻でも摘まんでやろうかと思いかけて。
けれど雪姫があまりに気持ち良さそうにしているからか、その顔を見ながらいつの間にかニヤけている自分に気づく。
……俺も随分丸くなったよな。
マナーモードのままさっきから鳴り続けている携帯を持って、寝室を出た。
「……はい、城ノ内」
ディスプレイを見て、相手が真野だと確認して電話に出る。
『いつまで油売ってるんだ。早く戻ってこい。どうせまた梶原ちゃんにお仕置きとかしてるんだろ』
お見通しか。
「うるせぇよ。すぐ戻る」
確かに山積みの仕事を放って、真野に任せて帰って来てしまったのは事実。
今頃大変なことになってるだろう。
ソファに置きっぱなしの上着を取り上げた。
車の鍵を出して腕時計をはめながら、肩に挟んだ携帯から真野の穏やかな声が聞こえてくる。
『にしても、城ノ内らしくないね。カスミ達を他に任せるなんて』
「あいつらじゃなかったからな」
俺が遮るように言った言葉に、真野は鋭く反応した。
『……どういうことだ』
「あの男、最初から雪姫を見てた。狙いはカスミ達じゃない。……雪姫だ」
近寄って来た時も、警備員に連行されるときまで、見ていたのはーー。
幸いなのか、雪姫は気づかなかったみたいだが。
呆れるくらい、お人好しな鈍感女。
……でも、不用意に怯えさせたくなかった。
だから、気のせいだと誤魔化したけれど。

