君の名を呼んで 2

***
現場から直接、皇の運転で帰宅した私。

い、良いのかなあ。
私マネージャーなのに。
むしろナナミちゃん達を気遣ってあげるべきじゃない?


「あの、城ノ内副社長。私大丈夫ですから、仕事……」

「黙ってろ」

ピシャリと言われて口を閉じた。
リビングのソファに上着を投げるように置いて、皇は私を抱きしめる。


「お前はほんっと危なっかしい」

彼の心配っぷりに私は首を傾げる。

「皇?心配し過ぎだよ。どうしたの」


彼は一瞬息を呑んで。

「お前、気づかなかったのか?あの男……」

そこで不自然に口を噤んだ。


「な、何?」

「いや……いい。俺の勘違いだ」

言葉を止めた皇が気になったものの、次の瞬間には彼の手がガッチリと私をソファの背に押し付けた。

「な、何でしょう、これ」

引きつる頬を彼に向けると、皇はニヤリと微笑んだ。


「この俺を心配させたお仕置きだ。もちろん、覚悟できてるな?」

「無理!無理でーすー!たまには見逃してくれませんか!」


私の必死な抵抗なんてなんのその。
皇は私に噛み付くようなキスをする。
んでもって、首筋の柔らかな部分に、本当に噛み付いた。


「っ、ちょっと、まって。痛いってばっ……ひゃあっ」

そのまま強く吸い上げられ、思わず目をつぶる。


「お前は俺だけのモノだ。誰にも、触らせるなよ」


不意に耳元に囁かれた、言葉。

……そんなこと、言われたら。

「それって、独占欲?」

なんて、聞きたくなっちゃう。


「さて。どうだかな」


言葉では躱すのに、私の問いを肯定するかのようにまたキスをするから。
逆らえずに私もそれに応える。


「こ、う、仕事は」

「お仕置きが終わったらな」


こんなの、お仕置きにならないよ。


私を愛おしむように撫でる彼の手に目を閉じた。