逃げなきゃーー!
けれど、身体が動かない……!
「ーー雪姫!」
皇の声に私はハッとして、身を反らした。
男の手はそれ以上は届かずに、私の顔すれすれを空振る。
ーー次の瞬間、皇が私達の間に割り込んで男の腕をねじりあげた。
「ンの、馬鹿野郎っ……」
そのまま壁に押さえつける。
「警備員!」
彼の鋭い声に、制服姿の警備員が二人走ってくるのを目で確認して、私はその場に座り込んだ。
「か、梶原さん……」
青い顔で私を呼ぶナナミちゃんに振り返る。
「大丈夫?怪我、ない?」
聞きながら彼女の姿を見て、無事を確かめて。
「大丈夫か、雪姫!」
駆け寄って来た要に頷いた。
それでどっと力が抜けて、今更ながらがくがく震え出す脚に立ち上がる事ができなくなって。
「あ、あれ……?」
おかしいな。
雪姫、しっかりしなさいよ。
「やだ、何で……?」
「雪姫」
そんな私に要が手を差し伸べる前にーー皇が私を抱き上げた。
「あ……」
驚いて彼を見るけれど、その腕は強く私を抱き締めていて。
「よくあいつらを守ったな」
「城ノ内副社長……」
ほめてくれた割に、その顔は厳しい。
怒って、る?
不安になった私の前でーー“副社長”の顔が崩れた。
いつものポーカーフェイスじゃない、動揺と、緊迫と、不安に溢れた取り乱した顔をして。
ただ私だけを見ている。
ゆき、と。その唇から私の名前が零れ落ちて。
「無茶するな、馬鹿……」
「皇……」
ギュ、と痛い程力を込められて、彼がものすごく心配してくれたことに涙が滲む。
「ごめんなさい……」
私は要やナナミちゃん達の前だという事も忘れて、その首に腕をまわして抱き締め返していた。
けれど、身体が動かない……!
「ーー雪姫!」
皇の声に私はハッとして、身を反らした。
男の手はそれ以上は届かずに、私の顔すれすれを空振る。
ーー次の瞬間、皇が私達の間に割り込んで男の腕をねじりあげた。
「ンの、馬鹿野郎っ……」
そのまま壁に押さえつける。
「警備員!」
彼の鋭い声に、制服姿の警備員が二人走ってくるのを目で確認して、私はその場に座り込んだ。
「か、梶原さん……」
青い顔で私を呼ぶナナミちゃんに振り返る。
「大丈夫?怪我、ない?」
聞きながら彼女の姿を見て、無事を確かめて。
「大丈夫か、雪姫!」
駆け寄って来た要に頷いた。
それでどっと力が抜けて、今更ながらがくがく震え出す脚に立ち上がる事ができなくなって。
「あ、あれ……?」
おかしいな。
雪姫、しっかりしなさいよ。
「やだ、何で……?」
「雪姫」
そんな私に要が手を差し伸べる前にーー皇が私を抱き上げた。
「あ……」
驚いて彼を見るけれど、その腕は強く私を抱き締めていて。
「よくあいつらを守ったな」
「城ノ内副社長……」
ほめてくれた割に、その顔は厳しい。
怒って、る?
不安になった私の前でーー“副社長”の顔が崩れた。
いつものポーカーフェイスじゃない、動揺と、緊迫と、不安に溢れた取り乱した顔をして。
ただ私だけを見ている。
ゆき、と。その唇から私の名前が零れ落ちて。
「無茶するな、馬鹿……」
「皇……」
ギュ、と痛い程力を込められて、彼がものすごく心配してくれたことに涙が滲む。
「ごめんなさい……」
私は要やナナミちゃん達の前だという事も忘れて、その首に腕をまわして抱き締め返していた。

