君の名を呼んで 2

「……え」

ナナミちゃんは明らかにショックを受けた顔をしていて。
城ノ内副社長の顔を凝視していた。


ちょっと、罪悪感。

かすかに嬉しいと思ってしまった自分が、酷く嫌な人間に思えてしまう。


「いいな」

「はい……」


皇もやっぱり、気づいてる。
ナナミちゃんの気持ち。

他にもっとマシな台詞があるだろうと思うけど、まあ、彼なりにやんわりと釘を刺してくれたんだと思う。


けれどーーいいの?

大事に育てている途中のアイドルに、こんなーー。


『あなたなんて顔してるのよ』

舞華さんの言葉がよみがえる。

もしかして、私のせいなの?
私の為に、ナナミちゃんを傷つけたの?

“城ノ内副社長”なら、やらなかった筈の行為を、“皇”は私の為にやってくれた。


だけど、それは……。


私は素直に喜べずに、ナナミちゃんの視線から逃れるように会議室の外に出た。


チクリ、と痛んだ胸に無意識に両手を握りしめて。