*
「城ノ内さん、ご相談が」
会社に戻った後はいつも通りの業務をこなして。
もう終業間近の時間に、城ノ内副社長に声をかけて来たのはナナミちゃんだった。
城ノ内副社長はチラリと目線を彼女に向けて、彼にしては珍しい台詞を口にする。
「今じゃなきゃ駄目か?」
「……すみません、どうしても」
ナナミちゃんは引き下がらない。
私は彼と今後のスケジュールを話し合っていたところだったんだけど、深刻そうなナナミちゃんの様子に手帳を閉じた。
こっちは緊急性がある訳じゃないしね。
城ノ内副社長の目線に聞いてあげて、と目配せを返して。
「じゃあ、私はこれで」
と、立ち上がろうとしたなら。
「雪姫」
城ノ内副社長が私を呼び止めた。
その目は、なんだか表情の見えない色をしていて。
何を、言うつもりなのーー?
言葉を待つ私に、ニヤリといつもの笑みをーー少なくとも、そう見せかけた笑みを向けた。
「先に帰ってろ。ベッドあっためて、イイコで待ってろよ」
「皇っっ!?」
予想もしてなかった言葉に、びっくりして、思わず名前を呼んでしまった。
普段ならそりゃあこんな台詞、皇が言ってもおかしくない。
けど、今ここには、ナナミちゃんがーー。
「城ノ内さん、ご相談が」
会社に戻った後はいつも通りの業務をこなして。
もう終業間近の時間に、城ノ内副社長に声をかけて来たのはナナミちゃんだった。
城ノ内副社長はチラリと目線を彼女に向けて、彼にしては珍しい台詞を口にする。
「今じゃなきゃ駄目か?」
「……すみません、どうしても」
ナナミちゃんは引き下がらない。
私は彼と今後のスケジュールを話し合っていたところだったんだけど、深刻そうなナナミちゃんの様子に手帳を閉じた。
こっちは緊急性がある訳じゃないしね。
城ノ内副社長の目線に聞いてあげて、と目配せを返して。
「じゃあ、私はこれで」
と、立ち上がろうとしたなら。
「雪姫」
城ノ内副社長が私を呼び止めた。
その目は、なんだか表情の見えない色をしていて。
何を、言うつもりなのーー?
言葉を待つ私に、ニヤリといつもの笑みをーー少なくとも、そう見せかけた笑みを向けた。
「先に帰ってろ。ベッドあっためて、イイコで待ってろよ」
「皇っっ!?」
予想もしてなかった言葉に、びっくりして、思わず名前を呼んでしまった。
普段ならそりゃあこんな台詞、皇が言ってもおかしくない。
けど、今ここには、ナナミちゃんがーー。

