「調布?」
私が聞き返した地名に、城ノ内副社長が頷いた。
芸能プロ、ブランシュネージュ・プロダクションーー通称『BNP』の社内会議室でのミーティング中。
私は上司である城ノ内副社長と二人きり。
もうすぐ29歳になる若き副社長で、元モデルの彼は、その長い脚を組み替えて端正な顔で私を見た。
デスクをトン、と指で叩くのは、煙草が吸いたくなってる時の彼の癖。
綺麗な長い指に見とれてしまう。
「国道沿いにスタジアムがあるだろ。その隣の空き地にオープンセット建てたんだと。しばらくはそこで撮影」
何度か見た事のある、大きなドームを思い出す。
確かにあの辺は広大な空き地になっていたっけ。
「渋谷からロケバスより、家から車で行った方が近いだろ。明日は出社しないで、直接現地入りしていいぞ」
確かにそれだと余裕ができるかな。
時間配分を考えて頷いた。
「ありがとうございます」
すずにメールしとこうと携帯を開きかけて、昨日受信したメールを思い出す。
「そういえばそのスタジアムで今、ジェイズがツアーやってるんですよ。蓮見君からのメールに……あ」
自分の失言に気づいて、私は城ノ内副社長を見上げた。
「雪姫てめえ、旦那に黙って他の男とメールするとはどういう了見だ、ああ?」
しまった!!
「いやあの、世間話を少々」
「世間話ぃ?危うくお前を喰いかけた世間知らずの国民的アイドルと、どこの世間の話をするんだ?」
あう。身も蓋もないわ。
私を責める言葉の割に、彼は始終楽しそうで。
ううう、からかわれてる。絶対!!
「お仕置きが必要だな、雪姫」
「ちょ!待って下さい、まだ仕事中で」
「夫婦間のコミュニケーションは大事だよな?」
「か、会議室は会議するとこです!ぎゃあ、ちょっと!?ダメだってばダメー!!」
そう、私 梶原雪姫、23歳。職業、芸能マネージャーは。
戸籍上、城ノ内雪姫。
れっきとした、この城ノ内副社長の妻だったりするーー。
私が聞き返した地名に、城ノ内副社長が頷いた。
芸能プロ、ブランシュネージュ・プロダクションーー通称『BNP』の社内会議室でのミーティング中。
私は上司である城ノ内副社長と二人きり。
もうすぐ29歳になる若き副社長で、元モデルの彼は、その長い脚を組み替えて端正な顔で私を見た。
デスクをトン、と指で叩くのは、煙草が吸いたくなってる時の彼の癖。
綺麗な長い指に見とれてしまう。
「国道沿いにスタジアムがあるだろ。その隣の空き地にオープンセット建てたんだと。しばらくはそこで撮影」
何度か見た事のある、大きなドームを思い出す。
確かにあの辺は広大な空き地になっていたっけ。
「渋谷からロケバスより、家から車で行った方が近いだろ。明日は出社しないで、直接現地入りしていいぞ」
確かにそれだと余裕ができるかな。
時間配分を考えて頷いた。
「ありがとうございます」
すずにメールしとこうと携帯を開きかけて、昨日受信したメールを思い出す。
「そういえばそのスタジアムで今、ジェイズがツアーやってるんですよ。蓮見君からのメールに……あ」
自分の失言に気づいて、私は城ノ内副社長を見上げた。
「雪姫てめえ、旦那に黙って他の男とメールするとはどういう了見だ、ああ?」
しまった!!
「いやあの、世間話を少々」
「世間話ぃ?危うくお前を喰いかけた世間知らずの国民的アイドルと、どこの世間の話をするんだ?」
あう。身も蓋もないわ。
私を責める言葉の割に、彼は始終楽しそうで。
ううう、からかわれてる。絶対!!
「お仕置きが必要だな、雪姫」
「ちょ!待って下さい、まだ仕事中で」
「夫婦間のコミュニケーションは大事だよな?」
「か、会議室は会議するとこです!ぎゃあ、ちょっと!?ダメだってばダメー!!」
そう、私 梶原雪姫、23歳。職業、芸能マネージャーは。
戸籍上、城ノ内雪姫。
れっきとした、この城ノ内副社長の妻だったりするーー。

