一通り学校の説明を受け、今私は教室に向かうためイケメン先生…もとい松江先生とやたら長い廊下を歩いている。


松江先生は意外に人なつっこくて、さっきからニコニコしながらどうでもいいことを話してくる。

内容は近所の子供が一緒に遊ぼうと言ってきてかわいいとか、豆腐屋のおばちゃんが腰が痛いそうだから今度手伝おうと思ってるとかそんな話だった気がする。

それ以外にもなんか話してた気がするんだが、正直まだ担任教師は幻の精霊説が頭から抜けないので、松江先生の話はほとんど頭に入ってこない。


ふと、前を歩いていたはずの足音が止まる。

「?」

不思議に思い、背の高い先生を見上げると、彼は眉をひそめて私を見ていた。

な、なんだその目は…?初めてプラナリア見た人みたいな顔で暫く見つめられる。つまり「な、なんだこの生き物…信じらんねぇ」状態である。


「…あの、私の顔に何かついてます?」

思い切って話しかけてみる。


「……お前、……………いや、なんでもない」

「えっ」

はぐらかされた。
この先生、結構失礼である。