その日の夜、なんだかやけ食いを起こす気にもならず、お風呂に入ってからすぐベッドに入った。

一つ下の弟が例の初めてプラナリア見た人みたいな顔で私のことを見てたから、やつのベッド下の本をリビングに置いておいた。

リビングから悲鳴が聞こえたけど、知らないふりをして目を瞑った。

「はあ…」

ため息をつくと、抑えていた不安だとか憂鬱だとかが溢れてきて、柄にもなく泣きそうになった。

なんなの、花の加護とか。意味わかんないし。
私の加護が強いなんて知らないよ、なんで入りたくもない生徒会に無理やり入らされるために戦わなくっちゃいけないの。理不尽だよ。

世界は理不尽なものだとか、ドヤ顔で語っている人とかいるけど、本当なら理不尽な状況にはならなかったのに私の意思もゼロでこんな理不尽な目にあったら、それは違うんじゃないか?って思っちゃうよ。





「加護なんて消えちゃえばいいのに」



そう呟いた言葉は、暗闇に吸い込まれるように消えていった。

私は、この言葉が後で大変なことを引き起こすなんて、知る由もなかった。