花の精

それは人に力を与えし神の使い。


古より伝わるそれは、人に良いことも悪いことももたらしてきた。


『生まれた生まれた!』

『可愛い子!』

『この子にはどんな力をあげる?』

『博愛』

『それはいい!じゃあ僕は…謙遜』

『んーと、じゃあ…可愛いこの子には幸福な愛も与えましょう』

『贔屓しすぎなんじゃない?』

『大丈夫、もう一つの力があるよ』

『幸福な愛をあげるなら、“あれ”でいいんじゃない?名前からしてもいいでしょう?』

『いいかも!』

『この子がうんと苦しみますように』

『やだあ、怖いなあ』

『幸せをあげたんだから当たり前じゃない』

『そうだね』

『じゃあいくよ?』

『うふふ』

『この子にあげる最後の力は……』




『孤独』















『……いっぱい苦しむといいよ』


『エリカ』