それと同時に 人が出たり入ったりしていた。 私はボーとしていて 人にぶつかる。 私はつい目から 一粒涙が落ちた。 真奈もそれをみて 一緒に悲しんでくれる。 「涙一粒で、お前は今前を向けた。 可愛い顔が台無しだよ?」 聞き覚えのあるセリフ。 男の人の声。 その人は私のほっぺたに 両手をあてて 右手で私の涙を拭ってくれた。 『「凌真!!!!」』 私と真奈は 同時に叫んだ。 少し身動きがとれる程に すいた電車の中。