夏2
(んー... これは違うかぁ。あっ、これぴったりだっ!)
珍しく私は音楽作成に取り組んでいた。先生に頼まれたからだ。
「あぁぁぁ、なんかいいイメージの湧くものないかな... ってあった!!」
「采葉ちゃん、急にどしたの?!」
「えっ!?あっす、す、すみませんっ... ちょっとたっちゃんたちに用事が... 」
「あーね、で、ラブラブしにいくのかぁ(ニヤニヤ」
「し、しませんよ!!」
先輩方もからかいすぎではないだろうか。確かにたっちゃんにベタ惚れしているけれどたっちゃんは... 女子が苦手という欠点がある。私は叶わない恋をしているのではといつも思う。
「たっちゃーん、もちー、ちょっと頼みたいことが... 」
「どうした?岡崎?」
「えっとね、どちらかの作品を見せてくれない?音楽作成に行き詰まってて... 。見せてくれた方にその音楽をあげるから!お願いっ!」
「たっつーん、見せてあげれば?」
「う、うん、どうせ見せるつもりだったし。」
なんとか見せてもらえることになったが... ちょっと気になる点があった。
「たっちゃん、見せてくれる予定だったの?」
「え、あぁ、うん。よ、余計なお世話なら見せないけど?」
「ほ、ほんと!?たっちゃん、何があったの、熱でもあるの?」
とっさにおでこをくっつける。
「お、お、岡崎?!」
「あ、あ、あ、ご、ご、ごめんっ。」
「あ、その、べ、別に嫌っていうわけじゃ... なくて。」
私は耳を疑った。女子が苦手の大嫌いなたっちゃんが嫌じゃないって言ったように聞こえた。
「た、たっちゃん。い、い、嫌じゃなかった... の?」
「う、うん... 。」
ちょっと整理をしてみた。ここはパソコン室、部活動中、先輩がいる。視線が痛い... 。
「采葉ちゃん、岩澤君、やっぱり付き合ってるんじゃ... ?」
『つ、つ、付き合ってません!!』
「息ぴったりで言われてもなぁ... (ニヤニヤ」

これが先輩が引退するまで続くのだ。