それから数日後、かすかに雪が舞う日の昼休み終わりに、瑠璃が私の席まで来て言った。
「麗! 今日のバイトって確か8時までだったよね。そのあと、何か予定ある?」
「そんな遅い時間からは、何も予定なくて空いてるけど、どうしたの?」
「じゃあ、一緒に駅前のイルミネーションを見にいこう! 巨大ツリーもあるよ」
 そういえば、今月に入ってから、私たちの学校から程近い駅の前では、イルミネーションをやっているらしい。
 なんでも、クリスマス当日の25日までやっているとか。
 確かに、見てみたいかも。
 私は、元気良く答えた。
「オッケ~!」
「良いお返事、大変よろしい! ちなみに、鉄平君と奏君も来ます」
「えええっ?!」
「何をそんなに驚いているのかえ?」
 笑顔で聞く瑠璃。
「ううん、何でも。それじゃ、何時集合?」
「バイト先に迎えにいくよ」
「ええ~、いいの?」
「あまり遅くなってもみんな疲れるじゃん。だから、そのほうが私たちもいいのだ」
 私も大賛成だった。
 そっか、奏も来るんだ……。
 奏と私は、一緒に登校もしてるし、すっごく仲良しではあるんだけど、そういうロマンチックな場所へ一緒に行ったことはほとんどない。
 なので、この機会は心底ありがたく、瑠璃に対して心の中で感謝した。
「じゃあ、8時ごろ、麗のバイト先のカラオケボックス前で待ってるね」
「うん、ありがとう!」
 これは楽しみ!